
全国に郷土料理があるが、栃木県には「サガンボ、モロ料理」が知られている。と言っても私は、こちらに移住して初めて知った。10歳までは栃木県で育ったが、その当時を思い出しても記憶は蘇らない。海無し県の栃木県は、今でこそ冷凍技術、環境が整い生魚を食するに事欠かないが、流通に時間を要しても腐敗し難い「塩引き(塩じゃけ)」が海の魚の代表だった。魚ではないが小学生時「クジラの竜田揚げ」が時々給食に出された。
「サガンボ、モロ」は、サメの剥き身を料理するが、鮮度が落ち始めると体内にアンモニアが生成されて腐敗を防ぎ重宝されていたようだ。サガンボとモロは名前こそ違うが、サメ料理には変わりがない。「サガンボ」はアブラツノサメ、「モロ」はモウカサメとサメの種類が異なるようだが、「サガンボ」は、頭を切り落としふかひれを取り除いた後、吊るすと棒状になった事かららしく、「モロ」は、身がもろいからの由来という。那須地区では、冬の定番料理として重宝され、煮つけやから揚げにする。鶏肉に似た食感と聞く。まだ食したことが無いことから聞きかじりだ。最近は、スパーの店頭にも並ぶようになった季節商品の一つ。