
老舗温泉旅館の温泉に関するニュースが騒がしい。温泉と云えば、当地那須は、680年開湯と日本でも屈指の歴史ある温泉地でもある。今回ののニュースのキーワードは、「かけ流し」「温泉殺菌」「浴槽の掃除」だろう。
当地に移住してから、温泉の泉質に拘って入浴している。「源泉かけ流し硫黄泉」である。「かけ流し」は、温泉を浴槽に入れ、浴槽から溢れ出た温泉を再利用しない事である。今回、かけ流しと名を打って消毒不十分とは、完全なかけ流しではなく「放流・循環併用式」ではないだろうか。即ち、浴槽内の温泉を循環ろ過して利用していることであろう。硫黄系の温泉では、硫黄が浴槽にこびり付いているのも風情があるが、浴槽に沈殿した汚れは、定期的に掃除をして落とすという。特に泉質が単純泉系では汚れが目立ち易く掃除は怠れないという。因みに、単純泉ではHPが高いとアルカリ系になり、俗にいう「すべすべのお肌美肌効果」と云われているが。
温泉利用時に拘っているのは、浴室の入り口に温泉法で表示が義務化されている「温泉分析書」の確認である。2007年(平成19年)に改訂されて、2009年末までに温泉の分析とその掲示が必要になった。その後は、10年ごとに分析結果を掲示することも。今日時点では、旧くても2012年の分析結果が表示されていることになる。これを怠っていると管理が不十分と見られる。加温、加水している場合は表示が義務化されているので、「ロックで」と云いながら「水割り」を飲まされることと同じようなものだ。
又温泉とは何か、と云うと25度以上の水で、温泉規程の19成分の一つでも検出されれば温泉という。那須湯本の源泉鹿の湯は、加水せず配管の温度を気温で自然に下げる方法が取られている。「温泉分析書」を見て、温泉という文字に踊らされず、真の温泉を楽しみたいものだ。