
昨晩、懇意にしている知人からショッキングな電話があった。「今度店を閉めて那須から離れることにしました」と。店はリピーターが主に訪れる専門店。何年か前にご夫妻は「自分の時間を持ちたい」と週休3日に拡大し、好きな歴史に関する美術館や店、史跡などを訪れていた。事業が成り立たない訳ではなく、閉店の話しを耳にすれば、大多数の人が表情を曇らせることが目に見えている。決断は断腸の思いのはずだが、電話口からは、そのような雰囲気は汲み取れない。詳細は後日だが、後期高齢者の年齢に達し将来を見越して、閉店、街中への再移住と判断したらしい。確かにお住まいの場所は、閑静な環境だが買い物や、公共交通を利用するには不便で車が有っての生活が成り立っている。直ぐには、困ることも無いはずだがいずれやってくることに早めに決断されたようだ。
この状況は、他人事ではなく田舎暮らしのリスク、デメリットでもある。別荘としては最適だが、定住となると、要件を満たしていないことが殆どだ。行政は、人口の減少に歯止めを掛けたく「定住化促進」と声を上げているが、現実は冷ややかなものだ。町民の町外からの移住者が50%超える現状で、若者の流出と合わせると手をこまねいている訳には行かないはずだ。知人からの話しにショックを隠し切れない。